御坊、美浜、日高、日高川4市町長、県の県土整備部長、日高振興局長で構成する西川流域水害対策協議会は23日、日高振興局で開き、今年1月に県が西川流域を県内初の特定都市河川に指定したのに伴い、地域のあらゆる関係者が一体となって流域治水対策を推進していく西川流域水害対策計画案を承認した。国交相同意に向けた手続きを進め、今夏のできるだけ早い時期の策定をめざす。
国・県・市町村・企業等のあらゆる関係者が協働してハード・ソフト一体の水害対策「流域治水」を推進するのが目的。計画期間は概ね20年間。ハード対策は日高川水系河川整備計画に基づき、西川は堤防整備、河道掘削、護岸工、東裏川合流点樋門改築▼下川は放水路整備▼斉川は堤防整備、河道掘削、護岸工▼堂閉川は河川付替、護岸工――などを順次進める。指定により国の重点支援が受けられるため、事業のスピードアップが期待される。
流域対策では、水田の所有者同意のもと排水口に調整板を設置して排水量を調整する「水田貯留」を推進するほか、ため池の貯留容量を積極的に活用して大雨が予想される際には事前放流により水位を下げるなど雨水を一時的に貯留させる治水利用を推進する。地域全体の保水力を維持するため、山林・緑地・農地の保全にも努める。
流域治水の実効性を高めるため、指定後は公共、民間問わず1000平方メートル以上の土地(宅地等以外の田畑等)を開発する場合は水害リスクが高まることがないように対策工事(雨水貯留浸透施設の設置)の実施を義務付けた。1000平方メートル未満は必要な措置を行うよう求める。貯留機能保全区域指定、浸水被害防止区域指定の検討も行う。
これまでに県民からパブリックコメントを募集、御坊市と美浜町で住民説明会を開催、学識経験者から意見聴取を行った。意見が多かった東裏川合流点の排水ポンプ施設の有効活用については「より効果的に運用できるよう西川の河川整備の進ちょくを踏まえつつ、必要に応じて操作規則の見直しを検討する」ことを計画に付け加えた。
20年待てないと美浜町が整備
和田川との合流点に排水施設
計画には、美浜町の和田不毛一帯で冠水被害が頻発しているため、内水対策工事として美浜町が西川と和田川の合流点部に排水施設(ポンプ施設)を整備すると明記した。
様々な事業メニューがある中、県が整備するのを待つより町が主体となって整備する方が早期完成が見込めるため。町は「(計画期間の)20年は待てない。早期完成をめざしたい」とした。計画に位置づけることで国や県の財政支援も受けられる。協議会に出席した小浪尊宏・県土整備部長は「美浜町の英断に感謝したい」と話した。
着手時期等は未定。整備にあたっては地権者同意が必要な貯留機能保全区域指定が前提となるため、県当局は「美浜町と連携しながら早期に指定できるよう努力したい」とした。
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