参議院通常議員選挙は3日に公示され、20日投開票に向け、17日間の選挙戦に突入した。和歌山選挙区(改選1)には、過去最多7人=別表=が立候補し、それぞれ第一声を放った。前評判では昨秋衆院選の雪辱を期す自民の二階氏と、都市部で強い維新の浦平氏の競り合いが予想される中、世耕弘成代議士に近い無所属の望月氏、今回4度目の挑戦となる共産の前氏がどう絡んでいくのか。大票田の和歌山市を中心に、割れる保守票、無党派層の浮動票をめぐり、激しい選挙戦が繰り広げられる。2日現在の選挙人名簿登録者(国内外)は77万2074人(男36万1779・女41万295)。
日本共産党 前久候補
和歌山市の和歌山城一の橋前で出発式を行い、小野原聡史・日本共産党県後援会長から激励を受けたあと、マイクを握った前候補は「物価の値上げで生活が苦しい。節約も限界だ。商売やっていけない。こんな悲痛な声が寄せられている。この選挙はこういった声にどう応えていくのかが大争点ではないか」とし(1)消費税を一律5%に引き下げ、その先は廃止をめざす(2)働く人の賃金アップ。最低賃金を全国一律1700円をめざす(3)暮らしや命に関わる医療と介護に多くの予算をつぎ込む政治に大きく転換を図る――3つの公約を示し、大軍拡反対も訴え「これらの仕事を前久にやらせて下さい。全力を上げて頑張ります。選挙区は前久、比例代表は日本共産党と、広めに広げていただいて日本共産党が躍進できるよう力をお貸し下さい」と支援を呼びかけた。
自民党 二階伸康候補
JR和歌山駅前で出陣式を行い、石田真敏、山本大地両代議士、鶴保庸介参議院議員、宮崎泉知事、尾花正啓和歌山市長、岡本章県町村会長をはじめ県議、市町村長、市町村議ら関係者、支持者が参集した。
二階候補は「地方なくしてこの国は成り立たない。地方の声を国に反映させ、地方の時代を切り拓き、次の世代に引き継がなければならない。誰も手を差し伸べてくれないなら私達が立ち上がるしかない。できるか、できないかを言うのではなく、やるか、やらないかだ。皆さんの力をお借りし、ともに元気で明るい和歌山を切り拓き、発展させたい」と決意を示した。
頑張ろうコールで気勢を上げたあと、和歌山市などを街宣、各地で出陣式を行った。4日は有田地方以南を街宣、午前11時から御坊事務所で出陣式を行う。
無所属 望月良男候補
望月候補は、JR和歌山市駅前で「和歌山のため日本のために命を懸ける覚悟」と力強く第一声。「いまの日本、和歌山に足らないのは希望」と強調し、「和歌山をモデル的に儲かる仕組みをつくる。あらゆる産業の皆さんが希望を持って儲けることで財源を生む。先を見通した和歌山、産業界をつくる」と力を込めた。「和歌山で日本の希望の政治を取り戻す。多くの方々から和歌山の政治を変えてほしい、という声をいただいた。ひたむきな信頼される政治に変える、希望の政治をつくるための戦い。魂を持って訴え続けますので援護射撃をお願いします」と訴えた。「走れ!もちづきコール」で気勢を上げた。このあと田辺市まで街宣。海南、有田、御坊、田辺の各事務所でも出陣式を行った。
日本維新 浦平美博候補
県議時代から親交の深い加太漁港を最初にスポット街宣。「維新は『社会保険料から暮らしを変える』をスローガンにスタートし、1次産業を大事にしている。海藻がどれだけ減っているか、藻場造成が必要。魚が食べられなくなれば、この国は終わり」と警鐘を鳴らした。
公約のブルーカーボンクレジット制度を和歌山から全国へ、世界へと広げていくとし「藻場造成で吸収した二酸化炭素を現金に変える。足元で見過ごしてきたことを一から考え直せればまた元に戻れるはず。これを中長期的にやらねばならない」と訴えたあと、「根本を整え、次の世代に渡していくのが政治の務め。環境を作っていくためには政治。全力で戦い、今までのやり方ではダメだと示していく」と力を込めた。
和歌山市役所前で出陣式を行い、初日は同市内で街頭演説などを行った。
参政党 林元政子候補
和歌山市小松原の選挙事務所前で出陣式を行い、第一声を放った。「消費税がなかった30年前を取り戻すことで、和歌山のような地方、日本の経済は爆上げする」とし、「倒産する企業が減り、中小零細企業に利益が残ったら、大切な社員に対する福利厚生、食事や旅行に行ける。和歌浦も白浜も地元和歌山の人でもっとにぎわう」。続けて一次産業を守るや外国資本の規制などに触れ、「地域に循環する経済を作る。これに一番効果的なのが消費税の廃止」と力を込めた。
また、子育て支援には「強い政策を打たなければ日本は日本人のものでなくなる」と強調し、「普通のお父さん、お母さんの思いを背負ってタスキを付けてマイクを持つ。参政党日本人ファーストが政治を和歌山から取り戻す。全力で発信して参ります」と訴えた。
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