御坊市が実効性の高い個別避難計画作成中 〈2025年7月12日〉

災害犠牲者ゼロをめざし、個別避難計画作成
(写真は昨年11月の市内一斉津波避難訓練)


 御坊市は、令和5年度から災害時要支援者の個別避難計画作成に取り組んでおり、昨年度からは民間事業所福祉専門職員の協力を得て進めている。対象者199人のうち、これまでに132人が作成済みで、残りの67人も今年度中に作成を終えたい考え。市の福祉担当課、危機管理課、民間の福祉専門職が連携しながら、より実効性の高い避難計画を作成し、南海トラフ巨大地震など有事に備える。
 国の災害対策基本法に基づく個別避難計画は「災害犠牲者ゼロ」をめざし、大規模災害発生時に自力で避難場所などに避難することが困難な人を対象に要支援者一人ひとりずつ本人の同意を得た上で避難時に支援する人(隣近所など特定の個人、自主防災会など)や避難場所、避難経路、留意点をまとめたもの。
 市は、75歳以上だけの世帯など避難行動要支援者に登録している1361人のうち、要介護度3~5の人や障害者を対象に令和5年度から個別避難計画の作成を進めている。自主防災組織の協力で津波浸水エリアの御坊第1、第3、第4、第5地区、野口、塩屋町、名田町は終わり、現在は御坊第2、第6両地区、湯川町、藤田町の各エリアで行っている。
 より実効性の高い計画にするため、作成にあたっては介護や障害福祉事業所のケアマネージャー、障害者相談支援専門員の福祉専門職に協力を仰ごうと昨年度、管内29事業所に協力を依頼し、15事業所が事業所として協力、4事業所が個人として協力するとの回答が得られた。協力した専門職に1件あたり新規7000円、更新3500円の報償金を支払う制度も設けた。
 市は、関係する健康長寿課、社会福祉課、危機管理課でワーキングチームをつくり、対象者の身体状況に加え、ハザードリスク(居住地域が津波浸水エリア内にあるかなど)も考慮して優先順位を決めながら作成を進めており、本人や家族、地域を交えて避難支援者を選定する必要がある場合は、危機管理課がコーディネートしている。
 10日現在の対象者199人のうち、これまでに132人の作成を終え、残り67人についても今年度中に作成を終えたい考え。作成後も対象者の状態等が変わるため、定期的に更新するほか、毎年度新たに対象者となった人の計画づくりも進める。


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高校野球和歌山大会 日高・湯川主将の宣誓で開幕 〈2025年7月11日〉

日高の湯川慎介主将が選手宣誓


 第107全国高校野球選手権和歌山大会は10日、和歌山市の県営紀三井寺球場で35チーム(39校)が出場して開幕。開会式で、日高の湯川慎介主将(3年)が「大好きな高校野球を次の100年に繋ぐ番、私達の野球に関わった人達に感謝し、全力でプレーし、全国で一番熱い戦いにする」と力強く選手宣誓し、11日から熱戦の火蓋を切る。
 開会式は、前年度優勝の智辯和歌山を先頭に南から順に入場行進。南部、和高専、日高中津、日高、紀央館ら地元校のナインも元気よく胸を張り力強くグラウンドを踏みしめた。
 出場校を代表して日高の湯川主将が選手宣誓の大役を担い「高校野球には長い歴史と伝統があります。甲子園を目指して戦った和歌山大会も107回目、日高高校野球部は昨年、100周年の節目を迎え、その歴史に触れる機会から数々の困難を乗り越えてきた先輩たちの歩みを知った。次は、私達が大好きな高校野球を次の100年に繋ぐ番です。この大会を通して偉大な先輩方から受け継いだ情熱や思いを未来の高校球児へ繋ぎます。私達の野球に関わって下さった全ての人達に感謝し、全力でプレーし、全国で一番熱い戦いにする」と誓い、スタンドから大きな拍手が送られた。司会進行は、向陽高野球部マネージャーの熊代まなさん=内原少年、日高中野球部出身=が務めた。
 この日は開会式だけで試合は翌11日から。日高勢は12日に紀央館が耐久、日高中津が新宮・新翔と対戦。15日は日高が和歌山商と顔を合わせ、和歌山南陵が有田中央・貴志川との連合チームで智辯和歌山に挑む。16日は南部が慶風、和高専が近大新宮と田辺の勝者と激突する。順調に進めば決勝は27日の予定。


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ベルギー花の芸術家ダニエル氏が初来坊し蓮公園を視察 〈2025年7月10日〉

蓮公園を見学するダニエルさん(左から2人目、左は阪本氏)


 ベルギー王室をはじめ世界各地で作品を発表するなど絶大な人気を誇るベルギーのフラワーアーティスト、ダニエル・オストさんが、16日から22日まで東京の日本橋髙島屋で御坊生まれの舞妃蓮だけを使った作品展「舞妃蓮の舞い」を開催するのを前に8日夕方、初来坊。9日朝に特定非営利活動法人北吉田蓮の郷(佐竹成公理事長)の蓮公園を訪れ、作品展に使う舞妃蓮を視察し、関係者と意見交換した。
「ハスが世界で一番美しい花」と、ダニエルさんは舞妃蓮の美しさにほれ込み、生みの親の故・阪本祐二氏=元日高高校教諭=の長男で、御坊舞妃蓮の会長等を務める尚生氏=御坊市塩屋町北塩屋=と交流を深め、昨年7月に東京のベルギー大使館で開いたダニエルさんの展示会「竹と花の奏宴」レセプションでスモークツリーと舞妃蓮をアレンジメントした作品で会場を装飾。10月に京都で開いた展示会「竹と花の奏宴」では阪本氏から届けられた舞妃蓮の果托を使用した。
 今回は、16日から22日まで日本橋髙島屋本館1階・2階で舞妃蓮だけを使った作品展「舞妃蓮の舞い」を開催するのを前に、それに使用する舞妃蓮を見ようと御坊市を訪れ、9日朝に阪本氏の案内で蓮公園を視察し、佐竹理事長らと意見交換した。「舞妃蓮を初めて観た時、とても堂々としていて大変美しく思った。存在感があり、アリアを歌っているような、バレリーナのようなイメージを受けた」と話すダニエルさんは蓮公園に咲く舞妃蓮を見ながら「東京からここまで遠かったが、来て良かった」と喜んでいた。
 ダニエルさんの希望で作品展用に、つぼみのついた舞妃蓮90本のほか、果托や葉などを送る。ダニエルさんは髙島屋本館1階正面スージに飾る作品のイメージを説明しながら「できるだけ茎が長いものを用意して下さい」と要望。佐竹理事長は「水物ですが、要望通りに届けられるよう努力したい」と話した。同行した阪本さんは「御坊生まれの舞妃蓮オンリーの作品展が開かれるのは、本当に光栄で素晴らしいこと。世界中の方に観ていただきたい。私も見に行きます」と笑顔で話した。
 今春には阪本氏からベルギーに舞妃蓮の蓮根5本が送られ、王宮の温室、国立植物園などに植栽され、つぼみを付けている。舞妃蓮が海を渡るのは昭和49年にアメリカ・テキサス州の州都オースティン市に送り、平成29年に同市に再送されて以来で、阪本氏は「今後、舞妃蓮の美を世界へ届けるための活動にも力を入れていきたい」と話した。


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坂下緋美さんが印定寺に「感謝の碑」を建立 〈2025年7月9日〉

建立した感謝の碑に感慨深げの坂下さん


 印南町ふるさと歴史文化研究室代表の坂下緋美さん(84)=印南=が、町の歴史文化の種まきをしてくれた先人に感謝を込めた石碑「感謝の碑」を同地の印定寺の境内に建てた。今年5月まで24年間、町文化協会長を務め町の歴史文化を探求してきた坂下さんは「町や仲間や多くの皆さんの協力を得て数々の取り組みを実現することができた。そのすべては先人達が苦労を重ね、種まきをしてくれたから他ならない」との思いから今回、石碑を建立した。
 石碑は高さ140センチ、幅25センチの角柱。正面に「印南の奥深い文化を輝かせた人々 感謝の碑」と記し、右側面には、江戸時代にかつお節の製造方法を考案、全国に広めた「角屋甚太郎」「森弥兵衛」「印南與市」の印南漁民3人、陶芸家の「光仙亭仙馬」、画家の「湯川松堂」、音楽家の「丸田大雅」の印南の偉大な芸術家3人衆の名前を、左側面には文化協会初代会長の要海正夫氏、二代目会長の平尾茂雄氏、郷土史家の小谷緑草氏をはじめ、高木實、塩路武男両氏の名前を刻んでいる。
 石碑は7日に角屋甚太郎の菩提寺である印定寺に建てられ、石碑を前に坂下さんは「幾多の苦労を重ね、故郷の歴史文化を高みの域まで引き上げてくれた江戸時代、明治時代の豪快な印南人、そしてその史実を発掘してくれた先人の研究者に感謝である」と感慨深げに話した。
 9日午前10時から、碑に刻んだ先人の菩提寺の印定寺、東光寺、一念寺の住職、ふるさと歴史文化研究室関係者、角屋甚太郎の子孫らが参列して奉納式を行う。


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日高川町合併20周年記念「南こうせつコンサートツアー」 〈2025年7月8日〉

懐かしのナンバーなど魅了するこうせつさん


 日高川町合併20周年記念の南こうせつコンサートツアー2025~神田川~は5日、日高川交流センターで開かれ、こうせつさんの優しい歌声が20周年に花を添えた。県内外から訪れたファン約500人を前に、ミリオンヒット曲の「神田川」や新曲「愛こそすべて」など17曲を歌い上げ、観客を魅了した。
 こうせつさんは、町内で甚大な被害を出した平成23年の紀伊半島大水害の翌年の平成24年12月に「心の復興コンサート日高川」と題して被災者の心を癒やした。それ以来の来町となったこうせつさんが盛大な拍手で迎えられると、懐かしのナンバー「青春の傷み」「妹」を披露。冒頭のMCでは「大きな災害があった翌年にこの地でコンサートをさせて頂いた。今年、日高川町が合併20周年を迎えると聞いて、また皆さん会いにきました」とあいさつ。
 ラブソング「夢一夜」の前には「ラブソングをうまく歌うコツは、今大好きな人を目の前に思い浮かべる。それは別に旦那さんじゃなくてもいい」などとユーモアを交えアドバイス。トキメキと青春時代を表現したという新曲「愛こそすべて」のほか、「マキシーのために」で会場のボルテージは最高潮に。「加茂の流れに」、「緑の旅人」など歌うと、最後は、かぐや姫として最大のヒット曲となった「神田川」を熱唱した。アンコールでは「夏の少女」など3曲を歌い上げた。
 来場者は、優しい歌声と年齢を感じさせないパワフルなパフォーマンスを存分に楽しんだ。


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御坊市公営住宅・紀小竹1号館、早ければ9年度に撤去 〈2025年7月6日〉

最も古く、市道沿いに建つ紀小竹団地1号館


 御坊市は、市自主防災組織連絡協議会(酒本和彦会長)から早期撤去の要望が出ている公営住宅・紀小竹団地1号館の対応で、入居者から同2号館等への転居について理解が得られ、早ければ令和9年度にも解体撤去できるメドがついたことが分かった。老朽化が進む紀小竹、庚申町、富安各団地の計6棟は集約した上で建て替える方針を打ち出しており、その足がかりができたと言える。
 令和5年3月改定の公営住宅等長寿命化計画(5年度~14年度)では、紀小竹団地1号館(昭和30年築、24戸)は用途廃止。同2号館(同44年築、35戸)庚申町団地1号館(同45年築、24戸)同2号館(同46年築、24戸)富安団地1号館(同44年築、32戸)同2号館(同45築、24戸)の計5棟は、集約し建て替えを検討する方針を明記。
 紀小竹1号館は鉄筋コンクリート造4階建て、2号館は同5階建て。庚申町1号館と2号館、富安1号館と2号館は同4階建て。簡易耐震診断ではいずれも「耐震性がない」と診断されており、すでに平成23年度から新規入居募集を停止している。現在の入居世帯は紀小竹1号館が最も少ない4戸で残りが空室。他の5棟についても約5割が空室となっている。
 6棟のうち最も古く、市道沿いに建ち、災害支援病院近くにある紀小竹1号館については、昨年1月に市自主防災組織連絡協議会が地震で倒壊の恐れがあるとして入居者の安全、防災面から早期撤去を要望し、三浦市長が「入居者のご賛同、ご理解が得られれば最優先で取り組みたい」とし、担当課で入居者の意向調査を行うなど前向きに検討する考えを示していた。
 その後、担当課で入居者4戸に他の公営住宅への転居を依頼し、協議を続けた結果、紀小竹2号館等への転居について理解が得られたため、転居先となる部屋の修繕を行うなど準備を済ませ、今後順次引っ越しできる段取りがついたという。引っ越しが終われば紀小竹1号館はすべて空室となるため、早期撤去に向けた環境が整う。
 担当課は令和8年度でアスベスト調査などを行った上で早ければ9年度で解体工事を行いたい考えで、具体的な財源確保、スケジュール等は今後、第5次総合計画の中で検討する。紀小竹1号館の解体が決まれば同2号館、庚申町、富安各団地の集約化に向けた検討を始める。
 基本的には3団地それぞれを1棟に集約し、計3棟を新築する方針だが、紀小竹団地には建てず、庚申町と富安両団地に計3棟分を集約するなどの案もあり、今後、建物の現況調査や入居者への移転意向調査などを行いながら具体的な団地更新計画を検討する。このほか、294戸ある二戸一住宅の対応、ひまわり団地や日高川ハイツ、グリーンハイツの維持管理等も大きな課題となっている。


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南陵高校が国内初集団オンライン授業導入 〈2025年7月5日〉


提携を結んだ南陵高校とバンザン


 日高川町和佐、和歌山南陵高校(甲斐三樹彦理事長)は3日、全国どこからでも授業が受けられるオンライン家庭教師のサービス「オンラインのメガスタ」を運営する(株)バンザン=本社・東京、山田博史代表取締役社長=と提携。同校は日本初となる集団授業での「AIによる評価付きオンライン授業」を導入に「今回の取り組みは、教育改革と学校再建への新たな挑戦。同様の課題を抱える学校への先進事例となることが期待される。持続的な学校運営のモデルを確立していく」。開始は9月から。
 同校によると、少子化による生徒数の減少や地方の教員不足など課題が山積。特に学力向上に向けた教育体制の整備と、質の高い授業を安定的に提供する人的リソースが不足。都市部に比べ教員の確保が難しく学習指導の質に地域格差を懸念していた。また、教員への過度な負担や、生徒の学習モチベーションの低下など、学校全体の再建には教育の抜本的な改革を求められていたという。
 これらの背景を受け、今回オンライン授業での指導実績がある「オンラインのメガスタ」を運営する(株)バンザンと提携。この取り組みは、同校が制作した授業のカリキュラムを同社にオーダーし、依頼を受けたプロを含むランク分けされた4万人の教員の中から教科やレベルに応じて、オンラインでモニターやパソコンの画面を通じて授業を行う。また、AIが指導者の発言や行動などに不適切なものがないか、生徒の表情や授業態度などを解析し、授業を客観的に評価。さらなる教育の質の向上と地域格差の是正を図る。同校教員も授業を行うが、オンライン授業の際はTT(ティーム・ティーチング)として、授業をサポートする。
 当面は、総合の時間を活用し、5教科(国社数理英)を中心に学び直しの時間を設け、9月には本格的に開始されるという。
 3日には同校で調印式が行われ、甲斐理事長は「子どもたちへの教育の充実、教員の負担軽減、保護者の信頼度向上などどれだけ伸びていくかを見てもらえれば。また、全国の教員不足問題のモデル校となる。他校の自信にもなれば」と期待を込めた。山田代表取締役社長は「日本初の試みで大変意義深い。授業の改善、学力のアップ、生徒の将来の可能性を引き出す。地方創生も実現できるのではとワクワクしている」と話した。


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