日高川町・人口流出歯止めへ、施策周知 〈2026年5月16日〉

人口減少対策に力をいれる日高川町


 少子高齢化と人口減少が全国的な課題となる中、日高川町でも人口は旧川辺町、旧中津村、旧美山村が合併した平成17年の1万1655人から今年4月末現在で8701人にまで減少した。町は、人口流出に歯止めをかけるため、若者定住や結婚支援、空き家活用への支援制度を導入し、移住・定住施策の周知に取り組んでいる。
 同町の人口は、新町誕生後の21年間で2954人が減少。少子高齢化による自然減や高校卒業後に町外へ進学・就職するなどの社会減の影響で、川辺では7007人から6031人に減った。さらに中津、美山地区の減少は深刻で、中津は2463人から1475人、美山では2185人から1195人までほぼ半減。全町的には年間約140人が減っている計算で、特にここ数年の減少率が大きい。人口減の影響で、地域産業や自治会活動、秋祭りの伝統文化継承など担い手不足も深刻化。町は現状を重く受け止め、若い世代が安心して結婚や子育てができる環境づくりをめざそうと、「若者定住促進新築住宅取得支援事業補助金制度」「結婚新生活支援事業補助金制度」「空き家活用若者移住定住支援補助金制度」などの支援制度を導入し、人口減少対策を進めてきた。
 若者定住支援補助金制度は、平成29年から実施され、町内に定住する目的で新築住宅等を取得する若者を支援するもので、3地区で一律最大130万円を補助。9年間で申請数は175件で、支給総額は2億2553万5000円。うちほとんどが川辺地区で171件、中津3件、美山1件。令和4年からは中津・美山両地区で最大200万円に引き上げても申請はなく、両地区の人口減少に対する課題解決は深刻。昨年の申請は川辺地区の10件だけで1300万円だった。
 令和4年から始まった結婚新生活支援事業補助金制度は、町内で新たに結婚生活を始める夫婦の家賃等を補助するもので、4年間で16件(うち継続2件)、支給総額は370万9850円。同5年からは空き家活用若者移住定住支援補助金制度を実施してきたが、申請数は6件、支給総額約200万円だった。
 一方で、大東建託(株)が行う居住満足度調査「いい部屋ネット 街の幸福度&住み続けたい街自治体ランキング2025(全国版)」では、豊かな自然や住民同士のつながり、子育て環境などが高く評価され、幸福度は全国の自治体で3位にランクインし、町の暮らしやすさは全国的にも高い評価を得た。また近年は、都市部で働きながら地方でも生活する「二拠点生活」への関心の高まりやテレワークの普及を背景に、自然豊かな環境やゆとりある暮らしを求めて地方へ滞在する人が増えている。
 これらの状況を追い風に引き続き、町は「若者の定住や子育て環境の充実、結婚支援、観光、関係人口の増加にさらに力を入れ、少しでも日高川町に住みたい、住み続けたいを思ってもらえる施策を進めていきたい」としている。


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ひだか病院の松嶋さんが数少ない認定作業療法士に 〈2026年5月15日〉

「その人らしい生活を支えたい」と、作業療法にあたる松嶋氏


 ひだか病院リハビリテーション科作業療法士の松嶋矩央氏(31)=日高町=が、一般社団法人日本作業療法士協会から県内で20人目の認定作業療法士に認定された。作業療法の臨床実践や教育、研究などで一定水準以上の能力を有する作業療法士に与えられる資格で、全国でも認定者は2035人と少ない。
 松嶋さんは、佛教大学在籍中に作業療法士の国家資格を取得し、卒業後、ひだか病院に務めて今年で9年目。作業療法は「障害そのものだけに着目するのではなく、その人が大切にしている暮らしや役割に目を向け、その人らしく健康や幸せを感じながら暮らせるように支援していく仕事で、必要となる支援は一人ひとり異なる」という。
 質の高い作業療法を提供するには「決まった方法にとらわれるのではなく、常に知識や技術を見直し、学び続けていく必要がある」と、令和6年冬から認定作業療法士の資格取得をめざした。5年以上の臨床経験と生涯教育基礎研修修了を前提に、教育・研究・管理運営に関する研修や専門領域の研修を受講し、臨床能力実績3例の登録といった要件を満たし、認定作業療法士の認定を受けた。
 令和7年の同協会員数は約6万人で今年5月時点の認定者は2035人。県内は会員500人超(令和6年)のうち、松嶋氏で20人目と数少なく、管内病院は松嶋氏だけ。ひだか病院で初めての認定者となった松嶋氏は「認めていただけたという達成感はあり、うれしいです。これが終わりではなく、スタート。さらに精進していきたい」と。
 作業療法で心がけていることは「その人の『自分らしさ』を支えるために食事や入浴、家事、就労、趣味、地域活動など、その人にとって意味のある『作業』を大切にしている。患者さんとは常に対等な立場で二人三脚で支援に当たらせてもらっている。患者さんが目標を達成し、その人らしい笑顔を見せてくれた時が一番うれしい」と話す。
 近年、病院や介護分野だけでなく、学校現場での子どもの支援など活動領域が広がり、子どもから高齢者まで、あらゆるライフステージの人が対象となっている中で「今後は、入院中のリハビリテーションだけでなく、退院後の生活や地域での暮らしも見据えた支援に努めていきたい。多職種との連携や後進の育成にも取り組み、その人らしい生活を支えるリハビリテーションの提供に貢献していきたい」と意欲を見せた。


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御坊市議保守系有志議員が6月議会に定数2削減案提案へ 〈2026年5月14日〉

勉強会で署名活動開始を決めた保守系有志5人


 御坊市議の保守系有志議員5人が立ち上げた議員定数(現行14人)見直し勉強会の第3回勉強会が13日に開かれ、同日から定数2削減を求める署名活動を始めることを決めた。当初考えていた9月ではなく、6月定例議会に2削減の条例改正案を議員提案することも申し合わせた。有志5人以外の保守系議員7人から1削減案、段階的な2削減案の声もあり、まずは6月議会の行方が注目される。
 勉強会は定数削減に賛成の意向を示している山田勝人、村上宗隆、松本隆史、天倉勝也、小澤俊和各議員が立ち上げた。削減に反対の議員も含め全議員への参加を呼びかけたが、過去2回の勉強会に参加したのは共産党議員2人のみ。前回の勉強会で「署名活動を5月から始め、市民運動に広げたい」との方向性が示されたため、今回、共産党議員は参加しなかった。
 署名活動は定数2削減を求め、13日から市内在住有権者を対象に開始。「人口減少が進み、市民から『議員活動が見えにくい』などの声も上がっており、議会の質と責任のあり方が問われている。議員自らが責任を明確にし、市民に『身を切る改革』を示す必要がある」とし(1)議員一人ひとりの責任と役割の明確化(2)議会運営の効率化と機動力の向上(3)将来の制度変更(市町村合併等)への柔軟な対応――を趣旨に掲げた。
 当面1000人を目標に取り組み、12月定例議会まで続ける。500人程度集まった段階で市議会議長への提出も検討している。署名活動と並行し、9月を考えていた2削減の条例改正案を6月定例議会に前倒して議員提案することも申し合わせた。6月議会で否決されても9月議会、12月議会と提案を続ける考え。
 一方、有志5人以外の保守系議員7人からは「2削減ではなく1削減」や「段階的に次の選挙は1削減、その次の選挙で1削減」の意見が出ている。現状では2削減、1削減、段階的な2削減、現状維持の4パターンが考えられ、まずは6月定例議会の行方が注目される。定数削減をめぐっては令和4年12月議会、平成30年12月議会で2削減案が議員提案されたが、ともに反対多数で否決された。


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下川放水路、地下水観測経過報告 〈2026年5月13日〉

市自治連総会で地下水調査等の概要説明


 県は、令和3年度から着手している下川放水路整備事業に伴い、営業等で井戸水を利用する住民から懸念や心配の声が上がっていることを受け、新たに計画地域周辺12カ所に観測孔を設置し、今年2月から水位の定期監視を始めた。地下水の流動方向を把握する一斉観測等も行っており、7月に2度目の住民説明会を開き、経過報告を行い、事業推進への理解を求める。
 この事業は、天理教湯川分教会前の県道交差点から日高川堤防まで約1・5キロの18メートル道路(県道御坊停車場線)の地中約5~7メートルに3・4メートル四方、4メートル四方の放水路(ボックスカルバート)を設置する計画。現在は工事発注準備、用地交渉を進め、できるだけ早期の着手をめざしている。
 旧御坊町や湯川町で良質な井戸水を利用して商売を続けている人、日常生活で利用している人から放水路設置によって地下水の流れが遮断、阻害されるとの懸念や心配の声が出ていることを受け、18メートル道路沿線12カ所に観測孔(地下10メートル10カ所、地下20メートル2カ所)を新設し、今年2月から月1回のペースで水位の定期監視を始めている。
 あわせて2月と8月の2回、新設観測孔12カ所と既設民間井戸2カ所、下川4カ所、日高川3カ所の計21カ所で水位の一斉観測を行い、地下水の流動方向を把握中。流動方向の精度を高めるための主要溶存イオン分析も既設民間井戸19カ所、新設観測孔12カ所、下川4カ所、日高川1カ所の計36カ所で同時実施中。昨年4月から行っている周辺地域24カ所での水質・水量・水位の現況調査は4月以降も継続している。
 11日に開いた市自治連合会総会で県が計画概要や地下水調査等を説明し、7月に2度目の住民説明会を開き、観測の途中経過を報告すると伝えた。昨年9月の住民説明会では県が井戸水に影響が生じた場合の補償方針として「生活や生業に支障かつ工事が原因による影響の場合は地下水の影響、利用状況に応じて恒久的な対応策を個別に相談。補償は県が責任をもって対応する」と説明している。


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日高町向山古墳群、県下最古前方後円墳か 〈2026年5月12日〉

測量図から1号墳は前方後円墳と判断


 県下各地で活動する紀伊考古学研究会は10日、日高町中央公民館で例会と現地見学会を開き、向山古墳群(日高町荊木・御坊市)の詳細測量調査の成果を報告した。測量図から1号墳が前方後円墳と判断でき、8、9号墳も同様の可能性が高いことが示された。和歌山県内で前期の前方後円墳は極めて少なく「県下最古の古墳」と評価。現地を踏査した専門家も築造時期を3世紀末~4世紀前半と推定し「紀伊水道と要所の平野部可耕地を掌握する初期ヤマト王権の南限地帯に相当する」と歴史的意義を指摘した。今後、発掘調査となれば、ヤマト王権との関わりを示す決定的な証拠が得られるかが注目される。

1号墳は前方後円墳と判断
3世紀末~4世紀前半の築造と推定
 向山古墳群の詳細測量調査で、これまで知られていなかった前方後円墳の存在が測量図から浮かび上がった。県下最古級とされるその歴史的意義と今後の調査への期待を、報告会での内容からたどる。
 川崎雅史氏(御坊市及び日高郡6町埋蔵文化財保護行政事務協議会)が測量成果を報告。1号墳は前方部が後円部より低く平面形が長方形で広がらない形状から、古墳時代前期でも古い段階の古墳とされる。元々、別々の円墳とされていた8、9号墳は、一つの前方後円墳の可能性があることも示した。
 現地を踏査した森岡秀人氏(奈良県立橿原考古学研究所特別指導研究員・公益財団法人古代学協会客員研究員)は、8、9号墳については一つの前方後円墳で前方部が細長く先端に向けて反るように強い撥形を呈する古式の墳形が想定でき、築造時期について高所側の8、9号墳を3世紀末~4世紀初頭、1号墳を4世紀前半と推定。立地については「紀伊水道と要所の平野部可耕地を掌握する初期ヤマト王権の南限地帯に相当する」と指摘している。今後については、発掘調査と遺構保全を進めるよう提言。地中レーダー探査や墳丘要所のトレンチ調査の実施が望まれるとした。
 川崎氏は県内で確認されている前期の前方後円墳は極めて少なく、それらは前期中頃以降の築造とされていることからも向山1号墳と、8(9)号墳を「県下最古の古墳」と評価。主体部の調査は副葬品が劣化する恐れもあるので慎重を期さねばならないが、部分的な調査であっても墳丘形態や主体部の構造を明確にする必要性があり、ヤマト王権との関わりを示す決定的な証拠が得られるかが焦点となるという。
 また浜崎範子氏(和歌山県文化財センター)は、最新技術「SfM/MVS」を用いた墳丘測量図の作成手法を説明。報告会の後は現地見学会として、向山古墳群の1、2、8、9号墳を巡り、参加者が専門家の解説に耳を傾けた。


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御坊市地籍調査・体制拡充も補助金少なく計画に遅れ 〈2026年5月9日〉

旧御坊町では国が14条地図作成事業を実施中


 御坊市は、30年近い年月を要している地籍調査事業を加速化させるため、今年度から都市建設課土地対策室の職員体制を昨年度までの3班から4班に拡充したが、国の今年度補助金が要望額を下回ったことから目標に置いていた令和15年度完了が1年程度ずれ込む可能性が出てきた。国への予算要望に一層力を入れるなど計画に遅れが生じないよう努める考え。
 地籍調査事業は平成11年度から始まり、令和7年度末で市内全体面積の78・7%が終わっている。6~7年度は名田町野島、楠井、上野3地区で行い、今年度は職員体制を4班に拡充したことで3地区に加え湯川町小松原地区で着手している。計画では今年度で上野地区が終わるため、来年度は野島、楠井、小松原3地区に加え旧御坊町内で着手する準備を進めてきた。
 旧御坊町は、これまで未着手だったが、南海トラフ巨大地震の津波浸水地域のため、できるだけ早期に事業を完了させようと、国に地籍調査事業に代わる14条地図(登記所備付地図)作成事業の適用を要望し、昨年3月に認められ、昨年度から着手中。旧御坊町全体面積2・21キロ平方メートルの32%に当たる御坊の全域、薗の一部、島の一部あわせて0・7キロ平方メートルは国が行い、来年度で完了する予定。
 残り68%は市が行うことでスピードアップを図り、15年度の事業完了をめざしていたが、土地対策室によると、国の今年度補助金が要望額を下回ったため、今年度で終わる予定だった上野地区が来年度までかかることになり、旧御坊町の着手が1年遅れの10年度になる見通しとなった。さらに楠井地区も今年度調査面積が縮小されたことで11年度に終わる予定が12年度にずれ込む可能性が生じているため、15年度完了目標に黄信号が灯り始めた。
 職員体制を拡充し、市の予算も十分確保できているため、今後、国の補助金が予定どおり付けば遅れを取り戻せる可能性もあることから、土地対策室では国が今年度補正予算を編成すれば積極的に活用するとともに、来年度以降についても計画通り進められるよう国への要望活動に力を入れながら「15年度完了をめざし、一層努力を続けたい」としている。


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「ツール・ド・熊野」印南かえる橋周回コースで開幕 〈2026年5月8日〉

かえる橋付近を力走する選手


 国際自転車競技連合公認の自転車レース「第26回ツール・ド・熊野」が7日、印南町内をコースにした第1ステージで開幕。国内外から参加した16チーム、95人の選手たちが、町内を駆け巡り、沿道では町内の小・中学生らが声援を送るなど盛り上げた。
 第1ステージの印南町開催は「印南かえる橋周回コース(実行委員長・藁科恭平さん)」として、町役場前をスタート(午前10時)・ゴールに、切目から切目川、稲原、印南の町道や県道、国道を通る17・9キロのコースを7周する全長125・3キロで行われた。スターティングセレモニーで日裏勝己町長が「町を上げて応援しています。選手の皆さん精いっぱい走って下さい」と歓迎。鶴保庸介参議院議員や藁科実行委員長らも選手を激励。スターターを務めた日裏町長の号砲でレースがスタートした。
 いなみこども園の園児、町内の小・中学生もレースを見学。沿道で子ども達や地域住民らが最速40~50キロの速さで駆け抜ける選手に声援や拍手を送った。レースを観戦し声援した林絢斗君(清流小6年)は「選手たちの努力が感じられ、速くてかっこよかった」と話した。
 閉会式では小・中学生がプレゼンターを務めたほか、終了後には餅まきもあり、にぎわった。
 大会は10日までの4日間で、8日は古座川清流周回コース、9日は熊野山岳コース、10日は太地半島周回コースで行われる。


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