原谷にある熊野古道の石畳は好評
日高町は今月中旬、地域観光魅力向上事業として、国内だけでなく欧米圏の外国人も含めたモニターツアーを行った。熊野古道、温泉、アサギマダラ飛来地・西山の地域資源に着目したコースで参加者からの率直な感想を聞き、考察。海からのハイキングやアサギマダラ観察が好評で、今後独自性のある観光コンテンツを開発へ磨き上げ、来年1月中旬にもツアーパッケージを販売開始する。
モニターツアーは、県内在住の50代~60代の日本人4人と日本在住の欧米圏の6人が参加。原谷に500メートルにわたる長大な石畳道などを巡る「熊野古道紀伊路鹿ヶ瀬トレイル」、渡りチョウ飛来地・西山での「アサギマダラ観察とマーキング体験」、比井越で山の稜線を切り開いて作った道「切通し」や徳本上人生誕地を訪れる「海からの熊野古道ハイキング」という2日間で3つのコース内容を網羅した。
西山の昼食では弁当にナタマメなど地元食材をふんだんに使った弁当を提供し、夕方に、温泉館「海の里」みちしおの湯で入浴後、隣接の食堂「みちしお亭」でイセエビをメインとした地元海産物の御膳を堪能。食後の、町内で生産されるなた豆茶の粉末を活用したソフトクリームが和風テイストで外国人からは高評価だった。
参加者にニーズや感想を聞くアンケート調査も実施しており、外国人からは「6万円でも安い」というほど。マスコミや旅行業取扱の連携事業者とのワークショップでまとめた結果では、ツアーで最も好評だったコンテンツは「海からの熊野古道ハイキング」で、特に「切通し」のダイナミックさや日本の信仰と熊野古道でのハイキングのバランスの良さが外国人の感想で際立ったと報告。
「アサギマダラ観察とマーキング体験」は、自然に触れられると非常に好評だった反面、西山へのハイキングが急勾配で滑りやすいとも。アサギマダラの飛来が期間限定であるため、飛来しない場合の代案があればコンテンツ化できるとし、昼食の弁当はおおむね好評ながら「味が優しかった。歩いて疲れるので濃いめでもいい」や「食材の説明(メニュー表)がほしい」などの声もあった。
「熊野古道紀伊路鹿ヶ瀬トレイル」については、石畳の参道の良さや神々しい雰囲気もあるが、モニターツアーで盛り込んだため、時間がなく、一番の難所を越える峠を体感できずに残念がる参加者が多かった。全体的に各名所などで説明してもらえるガイドが良かったとの意見があり、会議では、インバウンド向けにはハイヤー・ガイドをつけて歩行距離を長くしたり、日本人向けにはハイヤー・ガイドをつけずに安価設定が良いなどとも話し合った。
今後に向け担当者は「夕食は日本人向けにイセエビの刺し身、外国人向けにバター焼きとするなど今後は頂いた意見を細かな部分まで改善点にあげてブラッシュアップし、3コースそれぞれに商品化を目指したい」とし、日高町の魅力を撮影した動画なども作成していく考えにしている。
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