
黒竹の苗木を植栽する児童
日本一の生産量を誇り、日高町の特産である黒竹の産地を守る活動に地元児童が協力――。原谷で進める「耕作放棄地への黒竹植栽の取り組み」で13日、内原小5年生48人が苗木を植え、将来の竹林造成につなげた。生産量は全盛期と比べ、5分の1と大幅に減っており、後継者不足など課題が多い。活動主体の黒竹を守る会(金崎昭仁会長)は、これまで黒竹の魅力を発信したり、竹工芸品創作体験などに取り組んでおり、関心を高めて産業振興に努めたいとしている。
金崎会長が黒竹産業の概要や活動の目的など説明した後、地元民も協力して指導し、児童は苗木160本をスコップなどを使って耕作放棄地8アールに植えた。同地には関係者が追加で140本を植栽予定で、今後、水やり、施肥、獣害対策などにメンバーが取り組み、順調に育てば来年4、5月ごろに筍が見え始めるという。同校の上杉旺実さんは「植えた黒竹がすくすくと育ってほしい。私が原谷に住んでいるので、育つところを見に来たい」、中津貴斗君は「竹を運ぶとき見た目より重く大変だった。日高町の特産である黒竹を守っていくため、僕も頑張っていきたい」と話した。
この活動は、令和7年12月までの計画で、県の農業農村活性化支援モデル事業に採択され今年が2年目。減少傾向の黒竹を植栽、育成し、将来的な生産量確保につなげ、特産品として周知することが目的。これまで国際的に注目を集める竹工芸家の弟子を講師として、一般の人に黒竹を用いた工芸品作りを体験してもらったり、SNSで発信するなど取り組んできた。
同会は2025年大阪・関西万博開催時にレギュラーウイークの1週間続けた宣伝活動で参加することが決まっており、今回の植栽の様子を撮影した動画も、万博でのPRに活用する。今回植えた苗木は、収穫するまで3年程度はかかるという。金崎会長は「原谷のエリアにある120年近く栄えた黒竹産業が、今、衰退しており、守っていかなければならない。地元の皆様はじめ、できるだけ多くの方々に関わってもらい、地場産業の復活につなげられれば。生産量が安定した形で供給できるように頑張りたい」と力を込めた。
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