日高町の町道高家中央線改良、巨大地震対策で今秋にも着工へ 〈2017年4月20日〉

天満井橋は架け替えへ


 日高町は、高家地内中央の南北に走る町道の改良事業で用地交渉を進め、順調なら今秋にも工事に取りかかる。同地域は南海トラフ巨大地震想定で津波浸水区域で、町内だけでなく、美浜町からの避難道路としても重要な位置にあるほか、生活道としても利用が増えており、平成27年度から新しく着手した事業。改良は地元待望で町は「31年度完成を目標に進めたい」としている。

 日高町は周辺市町と比べた地価の安さなどで、近年、民間業者の宅地分譲やアパート建設などが進み、高家地内は人口が増加している。県農協紀南農機事務所付近から日高町役場付近までの南北に通る町道高家中央線(延長780メートル)は、通行が増え、通学路にもなっており、生活道として安全で広い道が求められている。だが現状は、対向が困難で町道の中ほどにある天満井橋(延長20メートル)は幅員が2・5メートルと狭く、普通車1台が通るのがやっとの状態。
 同町道が位置する高家地内の南側は南海トラフ巨大地震で津波浸水区域と想定されている。区域外の安全地帯といえる日高町役場付近まで通じる基幹ルートとして、南北に走るのは国道42号だけしかなく、1本だけの基幹的な道路ではスムーズな避難が不安視されていた。
 これらの背景から、地元から強い要望があり、町は改良に向け検討。平成27年度で幅員5メートルにして歩道1・5メートルを取り付け、天満井橋は老朽化しているため架け替える計画にして、測量設計に着手。28年度からはネックの天満井橋の詳細設計に入り、現状、同橋付近は若干、屈折していることから町道をまっすぐに通すよう下流へ10メートルほどずらして新設するように計画したほか、用地交渉も3件を済ませた。
 改良に関係する用地は水田が多く、29年度も交渉を進め、水路の整備の必要性などもあるため、ある一定の用地が確保できれば、稲刈りが終わる今秋頃から着工したい考え。事業が完了するまでの費用は概算で5億円かかると見ている。
 町産業建設課は「南北に走る重要な基幹道路となる。改良には何より地元の皆さんの協力が欠かせない。用地交渉も順調に前向きに進んでおり、31年度完成予定で、少しでも早く改良できるようにしたい」と話している。


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