
御坊祭は「地域の財産」(写真は今年の本祭)
御坊市教育委員会が平成30年度から実施している御坊祭民俗文化財調査事業は、調査項目が多いことなどから当初計画の2カ年から3カ年に延長。主な調査はほぼ終わり、今後は執筆・編集作業に入り「地域の財産」として令和2年度末に調査報告書を刊行する。文化庁や県教育委員会指導のもと、各分野の専門家11人を中心に総合的かつ詳細な学術調査を行っており、近い将来の国指定文化財をめざす。
御坊祭(小竹八幡神社秋季例祭)は、国記録選択芸能で県無形民俗文化財の戯瓢(けほん)踊、県無形民俗文化財の御坊下組の雀踊をはじめ、四つ太鼓、獅子舞、奴踊などが行われる日高地方最大の秋祭り。市教委は文化庁事業を活用して平成23年度から28年度にかけて御坊祭及びその奉納踊映像記録作成事業などを行い、映像資料を記録整理するとともに御坊祭ガイドブックを刊行した。
これまでの調査で多彩な奉納芸能や小竹八幡神社の氏子組織、祭礼様式などが都市型祭礼の様相を示す典型例であることが明らかになった。映像資料の記録整理は出来たものの、御坊祭の歴史を含めた総合的かつ詳細な文化財調査は不十分なため、文化庁や県担当者の指導のもと、戯瓢踊の記録作成や御坊祭の歴史を含む御坊祭の芸能、行事に関する総合学術調査を平成30年度から実施している。
地元や全国から民俗学、郷土史、音楽学、歴史学、工芸・刺しゅうの専門家11人が集まり、御坊祭民俗文化財調査委員会を設置。各組や個人で所有する祭礼関係の古文書調査や資料収集▽屋台、四つ太鼓の実測図面作成、構造の特徴▽奴や先奴、乗り子、戯瓢踊、鬼の衣装の形状や素材の特徴、変遷▽祭礼踊りの伝播、狂言囃子物と戯瓢踊、元禄期の歌舞伎踊と奴踊▽獅子舞の囃子、道中囃子▽周辺の祭りでの出し物ごとの分布などの調査を続けた。
当初は今年度までの2カ年で行う予定だったが、調査項目が多いことなどから1年延長。より詳細な調査を行うとともに昨年と今年の御坊祭、周辺の森祭、塩屋祭、土生祭、吉原祭、印南祭なども視察。主な調査はほぼ終えており、今後は報告書の執筆、編集作業に入る。昔の衣装や古文書が見つかったなど新たな情報が入れば随時追加調査も行う。報告書は序章、第1章~8章、資料編を予定。祭礼文化史や変遷、組織、行事、芸能と音楽、道具、染織、日高地方の祭礼文化などをまとめ、来年度末に300部刊行予定。事業費は3年間で約700万円。
調査委員会委員長は吉川壽洋氏=県文化財保護審議委員会委員長、美浜町=、副委員長は長谷川嘉和氏=元滋賀県文化財保護審議会委員、大阪府=。アドバイザーの文化庁文化財部伝統文化課主任調査官は「多彩な芸能はもちろん、祭礼でもいろんな特徴があり、内容が濃い祭りとの印象を持っている。これだけの専門家が集まり、調査するのはそうそうあることではない。地域の財産として報告書をまとめてほしい」と助言しており、刊行した報告書をもとに近い将来の国指定文化財をめざす。
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