中村安秀氏(左)と御坊写真教室
令和7年度御坊市文化賞に、日本の母子健康手帳をアジアやアフリカなど諸外国に広めた日本WHO協会理事長で大阪大学名誉教授の中村安秀氏(73)=東京都杉並区=と、今年創立30周年を迎え、御坊の歴史と歩みを次世代に継承する記録資料に功績を挙げている御坊写真教室(小池安彦代表)が選ばれた。表彰式は31日午前10時30分から市民文化会館で行い、三浦源吾市長から賞状と記念品が贈られる。今年で50回目。今回を含めて受賞者は83人、32団体。
中村安秀氏 幼少期を御坊市で過ごし、小学4年まで御坊小学校に通い、その後、父親の仕事の都合で大阪へ移った。東京大学医学部卒業後、都立府中病院小児科等を経て昭和61年から国際協力事業団(JICA)の母子保健専門家として保健医療活動に従事。
赴任したインドネシアには母子健康手帳がなく、診断・治療に支障が生じていた状況を憂い、現地のニーズや文化にあわせインドネシア版母子健康手帳を試作。同国政府との協力で同国全土に導入され、他国への普及の基盤となった。
国際母子手帳委員会代表として母子健康手帳に関する研究、母子健康手帳をつくりたい国の支援など国を超えたネットワークを構築するなど国際的な普及啓発に尽力。現在50以上の国や地域で活用されている。平成27年に医療功労賞受賞、30年から日本WHO協会理事長を務める。
中村氏は「身に余る光栄です。御坊で育ち、紀州の風土と人の温かさが私の歩みを見守ってくれました。少子化の時代だからこそ子どもを持つ家庭が母子健康手帳を携え、希望ある未来への夢が語れるよう努めていきたい」と話した。
御坊写真教室 市教育委員会が生涯学習の一環で平成元年から写真教室を数回開催。受講生から会設立の声が高まり、有志らで8年に御坊写真教室友の会として発足。令和6年に御坊写真教室に改名し、今年創立30周年を迎えた。
初心者が何の不安もなく入会でき、いつも楽しく和やかに交流できることが大きな特徴。月例会で互いの審美眼を養い、講師を招いて撮影方法を学ぶなど研鑽に励んでいる。会員は様々なコンテストで入賞するなど活躍。毎年開催の写真展には3日間で約500人が鑑賞に訪れている。
市制施行40周年記念事業「御坊市歴史年表」の挿図写真、東京2020オリンピック聖火リレーの写真撮影・提供を行うなど御坊の歴史と歩みを次世代に継承する記録資料に大きな功績を挙げている。
小池代表は「会員一同喜んでいます。ご指導下さった多くの先生方、周囲の温かい励ましやご支援に心より感謝申し上げます。これからも写真撮影を楽しみつつ、より感性を磨き、審美眼を養い、写真文化の向上・発展に少しでも寄与していきたい」と話した。
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