
無線検疫対象港に指定された日高港(写真は第1岸壁)
今月1日から御坊市の日高港が国の無線検疫対象港に指定後初めての外国貿易船が27日に初入港する見込み。検疫官が直接船に乗り込むことなく、乗員や乗客の健康状態を確認する手続きを無線で行うことで簡素化、円滑化するもの。9月から稼働予定の和歌山御坊バイオマス発電所の試運転にあわせて入港する燃料船から適用される。二階俊博事務所から連絡があった。
日高港は平成16年4月から暫定供用しているが、関税法上は「不開港」のため、税関施設等は設置されておらず、外国貿易船が入港する場合は和歌山下津港など近くの港で入港手続き等を行う必要があり、日高港に建設された和歌山御坊バイオマス発電所が今年9月から稼働するのを前に故・岸本知事、三浦市長が国に早期開港指定を要望。
開港指定には取扱貨物量を増やすなど実績づくりが必要なため、早期指定は難しい現状だが、二階俊博前代議士のバックアップ、県の粘り強い交渉の結果、県が港の設備を改善し、第1岸壁ソーラスフェンス内の取り締まりを強化することを条件に外国貿易船が直接入港できる「開港」と同等の運用を今秋から始めることで国と合意した。この運用が適用されるのは全国の公共岸壁で初めて。
これに伴い、検疫の手続きも無線検疫で行えるように県と市が厚労省大阪検疫所と調整し、今月1日から無線検疫対象港に指定。外国貿易船が港に到着する前に乗員や乗客の健康状態を確認するための手続きを無線で行うもので、検疫官が直接船に乗り込むことなく、書面確認のみで検疫を実施することが可能なため、従来の臨船検疫や着岸検疫と比べ迅速かつ効率的に行うことができる。
県によると、同発電所燃料の木質ペレットを積んだマレーシアからの外国貿易船が27日に初入港する見込み(運航状況で変更の可能性あり)。今年度は年間19隻、来年度以降は22隻程度が入港予定。県は第1岸壁ソーラスフェンス内の取り締まり強化で監視カメラ2台、保安フェンスセンサーの設置を進めており、完了するまでは警備員を増員するなどして対応する。
二階前代議士は「長年港の活用を訴えてきた地域の皆さん、生前に熱意を持って尽力された故・岸本周平知事をはじめ、三浦源吾御坊市長の力強いご支援の賜物で、財務省関係者への要請を重ねてきた私自身も大変うれしく思う。今後、さらなる港湾機能の拡充とともに地域の持続的な発展に資する取り組みが進むことを期待している」、三浦市長は「国や県をはじめ関係者のご尽力で外国貿易船の直接入港が始まることは大変喜ばしい。9月にはバイオマス発電所の稼働が控えており、引き続き、国や県など関係機関との連携を密にして輸出入円滑化に向けた取り組みをより一層進め、港の利便性向上に努めたい」とコメントした。
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