
安全・安心な社会で語る北野さん
和歌山高専(角田範義校長)で12日、秋草学園短大教授で環境芸術分野の研究者、北野大さんを招いての講演会が開かれた。生徒、教職員ら900人がテレビやラジオ出演など多方面で活躍、ビートたけしの兄としても知られる北野さんから「安全・安心な社会を目指して」をテーマに聴いた。
北野さんは「20世紀は安全を求めた世紀。21世紀は安全・安心を求める世紀」と語り、安全と安心の違いについて「安全とは安らかで危険のないこと、平穏無事。物事が損傷したり、危害を受けたりする恐れのないこと、科学技術に裏付けされた客観的なもの。安心とは心配・不安がなくて心が安らぐこと、自らの理解と納得に基づく主観的なもの」と説明。「安全に信頼を加えて安心というのは間違い。安全×信頼=安心。信頼がなければ安全は安心につながらない」といい、「安全と安心の架け橋であるリスクコミュニケーション(心配される事柄について情報共有し意思疎通を図り対策を進めリスクの低減に取り組むこと)によって信頼は確保できる」と力説した。
「機械は故障するもの、人は過ちを犯すもの、人は規則を守らないもの」を前提とする安全学の必要性を強調し、交通事故や水難、有害物質による中毒を原因とする死亡率からのリスク、自動回転ドアの挟まれ事故、ガス瞬間湯沸かし器一酸化炭素中毒、バッテリー発火事故など最近の製品、施設の事故などを安全学の考え方から検証した上で「自分自身と情報、機器、環境、相手など周辺との間に隙間が出来たときにヒューマンエラー(人為的な過誤やミス)を誘発するので、原因究明はエラーを起こした人のことだけでなく、全体を眺めなければならない」と語った。最後に安全教育として「やって見せ、言って聞かせ、させてみせ、ほめてやららねばならない」と持論を述べた。
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